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「高温で保存させる清酒の製造方法及び保存方法」の国内特許を取得

その他

日本盛株式会社(本社:兵庫県西宮市 代表取締役社長:森本 太郎)は、清酒の代表的な劣化要因である「メイラード反応」(※1)を抑制する仕込み技術の特許を取得したことをお知らせします。


(※1)酒中の「糖類」と「アミノ酸」が結合することで味や香りの変化・着色(褐変)が引き起こされる反応であり、加温により加速度的に進行します


■特許の概要

・特許番号        :第7015040号

・特許登録日     :2022年1月25日

・特許発行日     :2022年2月2日

・発明の名称     :高温で保存される清酒の製造方法及び保存方法

・特許権者        :日本盛株式会社

 

■特許取得の内容

今回の特許取得は、40℃以上で温め続けることよって生じる品質低下を抑制する技術であり、清酒の長期保存による品質低下の抑制にも応用できるものです。

一般的に清酒は40℃以上で温め続けるとメイラード反応により急激な着色の進行、さらに清酒の味わいが変化し、品質が低下する問題が発生します。その為、40℃以上で温め続けた清酒は、品質の劣化を避けられず、すぐに飲用に適さなくなることが清酒業界の常識でした。

当特許により、ホットウォーマーでの販売や酒燗器で温め続けての販売が可能となり、燗酒をいつでもすぐに飲める機会を提供できるようになりました。この技術を用いた商品により、清酒の飲用機会・飲用者の増加につながり、今後の清酒業界の活性化に貢献できると考えています。

 

 

■特許の特長

ポイント① 着色の原因物質を減らす仕込み方法

1)アミノ酸の含有量が少ない酒質で着色を抑制

メイラード反応の元となる成分を低減することで着色を抑制できるため、アミノ酸を減らす仕込み方法を開発しました。

 

2)着色しにくい糖類の含有割合を増やして味わいを維持

清酒に含まれる様々な糖類の中には、着色しやすいものと着色しにくいものがありますが、着色しにくい糖類の含有割合を高めながら、味わいを維持する方法を開発しました。

ポイント② 活性炭

清酒は香味の調整や脱色、沈殿物の除去を目的として、フィルターを通したり、活性炭を使ったりする“濾過”の工程が行われます。使用する活性炭の配合や素材の研究を重ね、着色要因物質の吸着力が高い活性炭を発見しました。さらに、活性炭の使用量を最適化することで、より着色しにくくすることができました。

 

 

<連続加温比較:当特許技術を使用した清酒と一般的な清酒の比較>

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